捨てる神あれば・・・

ああ〜、とうとう師走に入ってしまった〜・・・!!
すでに年末の慌ただしい気分でいた昨日11月最後の日、
友だちであるカメラマン女子に声をかけてもらい、
都内のとあるマンションの一室に着物好きの人と3人で訪れた。

古くなったマンションの建て替えのため数日前に転居されたご婦人が、
新居には入り切らないお母さんや姉妹らの着物や帯があるので、
「この中から欲しいと思うものを好きなだけ持ち帰って欲しい」
・・・ということであった(!?)。

下町にある某店や歌舞伎関係の御仁が出入りする某店、
かつてK好みという品揃えで有名だった銀座の高級呉服店などの畳紙から
ダメージの少ない付下げだの小紋だの帯だのがいろいろ出てきて、
見ているだけで面白くてたまらなかったけれど、
さすがに自分用に選ぶとなると、
果たしてホントに着るのかどうかを現実的に考えざるを得ず、
「あ〜、こんなにいい生地、いい色なのに〜!・・・でも着ないし」と
見送った着物や帯が何点もあった。

私は主にお直しを中心に考え、二部式襦袢の袖と裾除けに直せそうな
白地やピンク色の綸子の絞り小紋や、手描きの羽裏を目当てに道行や羽織のほか、
まっさらな肌着や胴裏なんかもいただいてきた。

捨てる神あれば・・・_f0229926_10355417.jpg

そんないただき物の中で、ことにありがたかったのは
これもまっさらなまんまの草履。
臙脂色の台にエンボス加工した花緒が普段着にあいそうな一足。

いまはすっかり小判型の台に太目の花緒が
着物好きの足元を担うようになったけれど、
20年くらい前はこれがスタンダードだった。
あらためて見てみると、この細身が逆に新鮮に映る。

この数年なかなか買い足せずにいた履き物に
新しいレギュラーが加わって、なんだかとっても嬉し〜い♪
(てゆーか、とっても助かるぅ〜!)

捨てる神あれば・・・_f0229926_21324153.jpg

もうひとつ嬉しかったのは、誰袖風の作りの数寄屋袋。
数寄屋袋はすでに持っているけれど、せっかくだし
今度のお茶会にさっそく下ろして使わせていただこ〜かな♪

お邪魔した3人それぞれが好きなものを取り分ける様子を
「活かしてもらえるとすごく嬉しいです」とご婦人も喜んでおられた。
捨てる神あれば拾う神あり、で、まあ全部が全部ではないけれど
双方ニコニコして物や事がうまく納まるというのはとてもキモチがいい。
Sさんのお母さま、このたびはどうもありがとうございました〜♪
Commented by 香子 at 2012-12-01 23:34 x
ワタシも直接お家にお伺いする事は無いけれど
そうやっていただいた着物がいろいろあります。
いい物なのに自分では着ないものって悩ましいですよねえ (^-^;;
Commented by team-osubachi2 at 2012-12-02 00:36
香子さん
>いい物なのに自分では着ないものって悩ましい...
本当に!!
なんとか生地だけでも救えないかな〜って思いましたけど、
ど〜にもなりませんですね、はい。
by team-osubachi2 | 2012-12-01 22:58 | 着物のこと | Comments(2)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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