寝ていた着物を起こすと・・・

30代のおしまいに、グンと背伸びして
灰色無地の本場結城紬を手に入れた。
ただの無地ではつまらないし、普通に家紋を入れてもつまらないので
背中にポチッと洒落紋を入れておいた。

「丸に算木」という実家のお固い家紋の丸をとって
正方形部分を三つに色分けして刺繍してもらった。
花の色、草木の色、水の色・・・。色見本は自分で描いてお願いした。

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でも、結城紬なんて、さすがに当時の自分には早すぎて、
二、三度袖を通したところで手入れをし、その後ずっと眠らせておいた。
そうこうするうちにこちらももう40代後半。
そろそろ出して着よう。カンレキの頃には柔らかくしておきたい。

とまあ、そんなワケで、先週末の金曜日、
着物友だちのお誘いで出かけたさいに、
この結城紬を引っ張り出して?年ぶりに袖を通した。
帯はこれからがシーズン本番の「ぽってり椿」の塩瀬染め帯。
これもだいぶ年季がはいって、
よく見ると白地が全体的にうっすらとヤケがきている。

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着物女子三人で訪れた先は東京友禅の小倉貞右さんという先生のアトリエ。
その小倉先生と夫人に手描き友禅の麗しい作品をあれこれ見せていただき、
本物の手仕事には、やっぱりスピリットが在るなあ〜と思った。
そして「着る人が美しくあるように」と制作なさる
先生のお人柄にも深く感じ入って帰宅した。

ところで、帰宅して脱いだ着物を鴨居から下げて気がついた。
あら?・・・まさか、裾がブクブクしてる?
なんと裾に「ふくろ」が入ってしまっているではないか!?
ガ〜〜〜ン!これはショック〜〜〜!!
こうなってはもはや手遅れである。
洗い張りに出して仕立て直すしかない。
これからいっぱい着よう ♪ と思った矢先に出鼻をくじかれた気分だ。

ああ〜・・・。寝かせた期間が長すぎただろうか。
着物も仕立てあがってきたときはイキがいい。
仕立てあがりの新鮮なうちに、
せいぜい袖を通しておかないといけないのであ~る。

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おまけ。
この日、小倉先生のアトリエへ誘ってくれたEさんとTさん。
Eさんは小倉先生のベージュピンクの付下げに
白い「アカンサス」の塩瀬染め帯。
Tさんは大島紬に刺繍の付下げに白い塩瀬の染め帯。
それぞれ自分の好きなもの、似合うものをよく知っている
着こなし上級者のお二人である。

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三人とも小倉先生のお宅へ一歩入った瞬間から退出するまで
キモノ・アドレナリンが体中をめぐって大興奮。
目にも心にもキレイ色のビタミンをいっぱいいただいてきたものの
私はおうちに帰ったとたん、お腹がグーグー大きな音をたてて鳴りだした。
ふわあ〜、先生の前で鳴らなくてよかった ♪
Commented by 朋百香 at 2012-11-18 09:17 x
tomokoさま
え〜、そうだったんですか?! ふくろになってるなんてぜんぜん
気が付かなかった。それはショックですね。やっぱり、ふくろに
なると仕立て直しですかね?
でもいつものtomokoさんとは、ちょっと違う色彩で新鮮だったし、
よくお似合いだったので、仕立て直してガンガン着てくださいませ。
Commented by りら at 2012-11-18 10:36 x
あのお着物こういうお洒落な趣向だったのですね!
なんとも言えずシャキッと品の良い良いお色ですねぇ。
帯締めの黄色に思わずうなってしまいました。
カッコいい~。

袋は残念ですけど、これだけのお着物ですもの、お手入れ後にはどしどし着られると思うと、張り合いになりでしょうね。
Commented by 神奈川絵美 at 2012-11-18 20:34 x
先日はありがとうございました! そうそう、背紋を撮らせていただこうと思っていて、忘れてしまいましたので、こうしてアップで拝見できて嬉しいです。澄んだ柔らかい色の紋ですねぇ。
ところで、袋になっていたとは、私もまったく気づきませんでした…。寝かせすぎると、そうなっちゃうのですか? 私も出番の少ない着物が何枚かあるので、気がかりです。
Commented by team-osubachi2 at 2012-11-18 22:35
朋百香さん
もう発見した瞬間に「いや〜〜〜ん!!」って喚いてしまいました。
これを買った呉服店ではなく、ちょっと九州の悉皆屋さんに送り込もうかと思案中ですが、費用の算段に頭を悩ませています〜。着物ってホントに金喰い虫です。とほ。
Commented by team-osubachi2 at 2012-11-18 22:39
りらさん
ふくろが入ったなんて、私の手持ちではこれが二例目です。
ぐ、ぐ、ぐやじい〜〜〜!!って、でも直さない限りは着れませんから、もうやるっきゃないんですよね。(涙)
こんな組み合わせ、30代のときには10歳は上に見られてたんですが、いつのまにかその10歳上の年齢になっちゃいました。でも、ようやく着られるようになって嬉しいです。年を重ねる喜び、着物にはあるんですよねえ〜。そこがまたなんとも魅力的な衣服です。
Commented by team-osubachi2 at 2012-11-18 22:50
絵美さん
先日は本当に楽しいひとときでした。そして、あらためて江戸前な風が私は好きだ!って思いました。まあ、いまや関東の人間になっちゃったんですから、それでいいんですよね。

「ふくろ」、もちろん寝かせているからかならずしもそうなるワケではありません。一番の問題は、表地と裏地の収縮率のズレです。
この裏地、共色に染めてもらったんですが生地が柔らかいのを用いたために生じたようです。もちろんどの着物も全部がそうなるワケではありませんが、紬地には織り生地の固い八掛けの方がふくろは入りにくいです。
でも、ちょいちょい着て風を通してあげるのがいちばんそんなトラブルが少ないんじゃないかって思うんですよねえ〜。どんなに気をつけてても、多少は湿気吸いますからねえ。(絵美さんの真空パックはその点安心かもですよ)
いやあ〜、それにしても「ふくろ」は本当に悩ましい問題です〜!
Commented by 香子 at 2012-11-18 23:47 x
ワタシも結城ではないのですが無地紬持ってます。
思い出させて下さってありがとうです〜。
そろそろ出さなくっちゃ (^-^)b

ふくろに…ということですが、それ程でなければ
ハンガーにかけて後身頃の胴接ぎを解き、出た分だけ
その場でチクチクするって手もありますよ。
Tomokoさん器用だから大丈夫 (^-^)v
B型らしい荒技ですけど、着ちゃえば中は見えないから(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2012-11-19 00:07
香子さん
無地の紬はそれこそ帯でいろいろ着回しがきいて便利ですよね ♪

「ふくろ」も1cm以下程度のことならなんとかしちゃうかもですが、さすがに2cmちょっとも違ってくると、もういけません。和裁も出来ませんし、ここはやっぱりプロにおまかせします。つまりは職人さんに仕事をまわせるワケですしね。まあ、その分なんとか踏ん張って稼ぎたいと思います〜!!(涙)
by team-osubachi2 | 2012-11-18 00:09 | 着物のこと | Comments(8)