子どものころ

梅雨あけ宣言はまだのようだが、
すでにうだるような暑さである。
(と記して後、さきほど「梅雨明けしたらしい」と気象庁)

こないだの個展で、向田邦子さんのエッセイや短編から
何点か子ども(少女)の絵を描いた。
いずれも向田作品に添うキモチで描いてはいるのだが
直接お話に出てくるシーンもあれば、
微妙にそのシーンからはずれてしまって、そうではないものもある。


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『父の詫び状』にあるエッセイ「細長い海」を読むと
子どものころの水遊びに興じたあとの、
あのなんともけだる〜い帰り道を思い出してしまう。

それまでキモチよく泳いでいたのに、
脱いだ瞬間から持つのがイヤになる水着の匂いや重さ。
全身泥のように疲れているのに、
自分の足でとぼとぼ歩いて帰らなくてはいけない帰り道・・・。

今でもプールや海からあがったあとは
ジョギングなどとは違うけだるさがある。


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子どもの頃、眉毛が濃い家系に生まれたせいで、
うっかりすると眉間がつながってしまうことがあった。
『思い出トランプ』にある短編「男眉」を読むと
主人公の麻が感じているコンプレックスとは、状況こそ異なるものの
自分も麻のそれとどこか似た感情があったのを思い出した。

自分とほぼ同年と思われる物語の中の麻のキモチもわからないではないが、
私の太眉もいまは「これが私の顔なんだもん♬」・・・と
そう思えるようになるまでには、
いろ〜んな出来事や経験をしなくてはならなかった。

向田さんの視線は、子どもの頃に出会うささいな出来事から
ちょっとした卑下のキッカケになるその瞬間をとらえるのが
本当にうまいなあ〜と思う。
そして、それが大人になってから
どう心のひだになって震えるかも・・・。


*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
Commented by 香子 at 2012-07-17 09:48 x
最近薄くなって来たとはいえ
金太郎眉毛のワタシも同様でございます (^_-)-☆
Commented by 朋百香 at 2012-07-17 19:55 x
tomokoさま
コンプレックスって面白いです。自分が思っている程、
人は気にしてないんだな〜って事に、ようやっと気が付きました(遅)  要するに自分の問題なんですね。
私はtomokoさんのキリッとした眉毛、好きですが・・・。
Commented by team-osubachi2 at 2012-07-17 23:05
香子さん
あれ?そうでしたか?香子さんの色白で柔和な造作からはそんな眉は思い出せないでいます。
私のは剛毛でして、うっかりするとマジンガーZなくらい永井豪の描く眉毛になっちゃうので困りものでした、はいい〜。
Commented by team-osubachi2 at 2012-07-17 23:11
朋百香さん
>自分が思っている程、人は気にしてないんだな〜って事に
そうそう、そうなんですよね。自分だけが強烈に意識してるんですよ。やっかいですけども、それは自分だけの魅力になるんだってこと、なっかなか気づくまでは大変です。私も40代半ばでようやくこの眉毛でいいやって思えるようになりました。(苦笑)
Commented by りら at 2012-07-18 03:36 x
ああ、なんと懐かしい・・・・
スクール水着に白い水泳帽も、花柄のお手製っぽいブラウスに紺のスカートも。
こんな風な夏の日があったよなぁ・・・と、現実の記憶以上に懐かしい気がするのは絵の力でしょうか。

最近私は、顔の造作って骨格やそれぞれの配置に沿って巧くできているんだよなぁと思うようになりました。
私もTomokoさんのお顔、とても素敵だと思います。
そしてそれは全てのパーツのバランスなんですよね。
Commented by team-osubachi2 at 2012-07-18 14:10
りらさん
ある時期、やっぱりハァちゃんを描いてた頃からでしょうか、色味など懐かしさを感じるといった感想をいただくようになりました。自分ではことさら意識したこともなく狙ってもいないんですが、どうもそんなところが私の持ち味の一つらしいです。
顔ひとつとっても自分のあるがままを受け入れるって簡単ではなかったです。人それぞれにハードルがあるものなんですねえ。そんなところも人を描く面白さにつながっていきます。
by team-osubachi2 | 2012-07-17 08:43 | 人を描く | Comments(6)