久留米絣に縞の帯−1

昨日は月に一度開かれるTBSの落語研究会の日だった。
着物を着るつもりでいたが、昼間に買い物に出たあと
秋の花粉症が出てしまい、クスリを飲んだらなんだか着替えるのが面倒になり
結局いつものジーンズに履き替え洋服で出かけた。
我ながら「な〜んだ、つまんないの」であるが、
ま、こんな日もある、か・・・。

久留米絣に縞の帯−1_f0229926_1145436.jpg

昨日で第521回目という、もう何十年と続くこの研究会。
30代のいつ頃だったか、夜なべ仕事のあと、
もうじき夜明けにも近いという時間にこのテレビ放送を見たことがあった。
小三治師匠の「粗忽の釘」。
当時まだ50代で、声も所作も元気いっぱい画面いっぱいにはじけていて、
夜明けに近い時間だったが、お腹がよじれるくらいに大笑いした。
以来ずっと小三治ファンでいる。

あの当時の小三治師匠は、太物みたいに一見ごわっと無骨なような、
お店の堅気モンのようでいて堅気でない縞の紬なんかをよく着ておられ、
それがまたよくお似合いだったように思う。
そうこうするうちに、いつの間にか今の師匠には
黒の紋付羽二重がしっくりと板についていて、
年齢や、芸や、脂の乗り具合で、といえばいいのか、
そういうところで着る着物も変わっていくのだなあ〜と思ったりする。

また、それまでウワサに聞くばかりで、生前唯一この研究会で聴くことが出来た
志ん朝師匠の「愛宕山」。
聴きながらその場面や景色を見るみたいにお腹をよじって笑った。
上方の噺だが、志ん朝師匠のはまるで
幇間をお供に京まで遊山に出かけた大店の旦那みたいな様子だった。
その高座着はたしか白っぽい細縞のお召に
深みのあるい〜い色目の羽織。

勝手ながら自分の中では、同じ縞でも、
志ん朝師匠は染めやお召の細縞、小三治師匠は紬や木綿の無骨な縞
・・・と、そんなイメージがある。
縞は大好きだが、私も染めやお召の縞となると少し難しく、
好きなのはもっぱら織りのきっぱりとした縞。

昨日着そびれたひと揃い、今度の週末
今年最後のお酉さまのときにでも着ようかな〜。
Commented by 神奈川絵美 at 2011-11-24 17:01 x
こんにちは! 落語家さんによってお召し物を選ぶなんて、ツウだわーさすが☆
立川談志さんが亡くなって、ふだんそんなにディープな落語ファンではない私も、何となく落語界の今までに思いを馳せています。小三治さんや、桂米朝さんのコメントも新聞に載っていてしみじみ・・・。
Commented by team-osubachi2 at 2011-11-24 18:34
絵美さん
談志師匠、落語家が最後には声を失うってどういうことなのかまったく想像の外ですよね。談志信者には本当に寂しくなるんだろうなあ〜・・・と。
私も冥福を祈ります。合掌。
by team-osubachi2 | 2011-11-23 12:29 | 着物のこと | Comments(2)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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