フレデリック・バック展

先日、東京都現代美術館で開催中の
フレデリック・バック展へ行ってきた。(10月3日月曜日まで)
この方の作品でいちばん知られているのがアニメーションの
『木を植えた男』だろう。
会場に入ってすぐ、この上映を見られる仕掛けになっている。

むかしアカデミー賞を受賞したあと、
いろんなメディアで紹介されたせいだろうか、
なんとなく知っているつもりでいた『木を植えた男』だが、
結局一度もちゃんと見たことがなかったのだろう、
今回見てみて、「こういう話だったのかあ〜!」と
はじめて作品の主題を知った。

フレデリック・バック展_f0229926_954333.jpg

『木を植えた男』の原画はアセテートフィルムに色鉛筆などで描かれていて、
思ったよりもずっとずっと繊細だった。
この繊細さをなんと5年間も維持し描き続けて仕上げられた作品である。
自然と人間の持っている「力」をかたく強く信じている
作者の一世一代の作品だと思った。

会場には若かりしころのまっすぐな視点でとらえて描かれた風景画や
人物のスケッチなどが数多く展示され、それらが彼の中でどのように熟し、
やがて彼の人生における大きな主題となって、
イラストレーションやアニメーションの仕事と結びついていくかを
見る者が感じとりながら会場をめぐることになるのだが、
なにしろあまりの点数の多さのため、最後までしっかり見るだけのパワーと
時間があまりなかったことが残念でならない。
こんなことならもっと早くに家を出るんだった・・・。
(『木を植えた男』の上映だけで30分。その他の展示を
じっくりゆっくり見るなら2〜3時間は覚悟したほうがいい)

会期はあと2週間ほどしかないのだが、
ぜひ大人も子供も一緒になって見てもらいたい展覧会である。

フレデリック・バック展/東京都現代美術館(会期一日延長10/3まで)
http://www.ntv.co.jp/fredericback/
Commented by すいれん at 2011-09-18 09:56 x
tomokoさま
おっしゃる通り、展覧会を見るのって気力体力がいりますよね。それだけ、絵には作者のエネルギーが込められているという事なのですね。目には見えないけど最近、その「エネルギー」というものを強く感じます。どうせ感じるなら、いつも良いエネルギーを感じていたいものです。もっと言うなら、良くないものも良く変えられる強さを持ちたいと思います。あれ?話の趣旨が変わっちゃったかな?ごめんなさい。
Commented by team-osubachi2 at 2011-09-18 11:22
すいれんさん
いえいえ、どうぞ思うままをコメントください(笑)。
むかし、ピカソを見に行ってヤラレてしまったことがありました、完全にパワー負けしましてね(笑)。以来、展覧会を見に行くときは必ずお腹にものを入れてから行ってるんですけど、この日は夕方から次の予定があったせいもあり、また、暑さと予想外に大きな展示で血糖値が保ちませんでした。2時間半でタイムアウトでした。
目には見えないけれど、エネルギーのこと、よくわかります。ホントそうですよね。むかし、世界的に有名な絵画など、移動や展示環境だけでなく、人々の見るエネルギーのせいで傷みがくると聞いたことがありますが、そうだろうなあ~と思います。
by team-osubachi2 | 2011-09-18 00:22 | 出かける・見る | Comments(2)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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