向田邦子「桃太郎の責任」

昭和56年、あの事故が起きるまで「週間文春」に掲載されたという
向田邦子さんのエッセイ『女の人差し指』で、
ことに好きだなあ〜と思うのが『桃太郎の責任』という一編。

文の出だしから軽快で、言葉のリズム感が緩急自在。
まるで映画かドラマを見るように、情景がスラスラ浮かんでくる。
(そりゃあ脚本家でいらしたんだから、あたり前かもしれないけど)

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ーーーベルの音が荒っぽいと、受話器をとるこちらの手つきも
邪険なものになる。
「向田です!」
「あたし・・・」
女の声である。
女として気働きがないせいであろう、私には「俺だ」といって
電話をかけてくる男友達はいない。ーーー

「あたし」とかかってきた電話一本で、
女性週刊誌一冊にざっと目を通せるくらい
オンナの話には省略はないと書いてあるが、
どちらかといえば、私のまわりでは(自分もふくめ)、
オンナの話は脈略なく飛ぶというコトの方が多い気がする。


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電車の中で移動中にこの一編を読んでいて、
小学生のころ、祖母に連れられていったという縁日での
ごく短いエピソードに思わず笑いがでて、
にやにや顔を抑えるのに困ってしまった。

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載を禁じます
Commented by 惠漣 at 2011-09-12 19:58 x
ご無沙汰しています。
縁日のエピソード、笑っちゃいますよね。同時に感心しましたけど...。
向田さんもそうですが、テンポの良い文章じゃないと
読む気になれないのです。最近、また少しずつですが本を読む
ようになりました。
もう少し暑い日が続くようなので、ご自愛下さいね。
今夜の満月もお見逃し無く。
Commented by team-osubachi2 at 2011-09-13 09:19
恵漣さん
お暑うございます〜。向田さんのテンポのよさって、早いときにはすごくキレがありますですね。私は文章書きではありませんが、唸ってしまいます。だって、頭に浮かぶ映像までその通りのテンポで浮かぶので。
もっとも、描く方はしどろもどろで困ったものですが・・・。
さすがに去年よりはマシなようですが、暑さが厳しいですね。どうぞそちらもご自愛くださいまし〜。
by team-osubachi2 | 2011-09-12 12:25 | 人を描く | Comments(2)