祝島のこと、氏本農園のこと

先週末の土曜の午後、お天気は一日中雨嵐で最悪だったけれど、
渋谷の文化村のすぐそばにあるオーディトリウム渋谷へ
ドキュメンタリーフィルム「ミツバチの羽音と地球の回転」
という映画を、相方と共に見に行ってきた。

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山口県の瀬戸内海に面した島で起こった中国電力による原発建設問題に
その予定地の真向かいにある祝島の住人たちが
実に26年間にわたって建設反対を訴え続けていたということを、
この映画ではじめて知った。
私は、東日本大震災が起きるまで、原発というものに対して
ただぼんやりと「嫌なもの」程度にしか頭になかった自分が
いかに無知で無関心だったかを知る思いだった。
(郷里の富山県にこそないものの、両隣の新潟、石川、
さらにはその隣の福井には何機もの原発があることを知りながら)

この映画は、また、スウェーデンへも飛び、
持続可能な自然エネルギーに取り組んでいる様子についても取材し、
私たちのこれまでの価値感や考え方というものを
今一度しっかりと見つめ直し、これからの生き方や、
人間の暮らしをどう未来に繋げていくかを
今こそ一人ひとりが考え、選択すべきときではないか
・・・と問うているように感じた。

今後の各地で映画は公開が予定されている。
震災後を新しい時代としたい今だからこそ、
より多くの人に見てもらいたい映画である。

「ミツバチの羽音と地球の回転」オフィシャルサイト
http://888earth.net/index.html

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ところで、この祝島の様子の中に、かつて島民が開墾し
その後、島の人口が減るにしたがい荒れていった段々畑で
豚を放牧して農園をやっておられる氏本さんというおじさんが登場する。
この氏本さんのところの豚さんたちは実にのびのびと育っていて
またおじさんによくなついている。

荒れた耕作放棄地に豚を放し飼いにしておくと、
豚は自分の寝床を草で囲んで作ったり、
その特徴である鼻づらでもって土の中の草の根を見つけて食べたりして
畑の雑草は徐々に消えてゆき、また豚さんの天然の「肥やし」も得て
豊かな土が出来るので、ふたたび畑として農作物を作ることが出来る。
氏本さんはそういう仕組みで農業をなさっておられる方だ。

はじめ見ていてすぐには気づかなかったのだが、
すくすくと育った元気いっぱいの豚さんたちによって
荒れ地が開墾(?)されてゆくその様子を見ていたら、
「あれ?以前どこかで見たような光景だなあ」と記憶がうずいた。

なんのことはない。氏本さんの農園のことは
昨年3月に発売された農文協さんの季刊誌『うかたま』vol.18の
「おいしいものを育てる人」というコーナーで
畑の様子のイラストを描かせていただいたのだった。
(バックナンバーは『うかたま』サイトにて購入できます)
残念ながら私は取材には行っていないものの、
仕事のさいの資料で見た光景や豚さんたちと
はからずも再会したような嬉しいキモチになった。

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思わず氏本さんのブログにコメントしてみたらば、返信コメントがあり、
「ちなみに、『うかたま』vol.23「食べるんだったら知っときたい」にも
寄稿させてもらう予定ですので、よろしく!」とのことだった。
ご興味のある方は、ぜひ6月5日発売予定の
『うかたま』夏号をお読みいただきたく!
(次回は私がイラスト担当のコーナーはありませんが)

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載を禁じます

氏本農園 祝島だより
http://blogs.yahoo.co.jp/farm_ujimoto

農文協『うかたま』
http://www.ukatama.net/
Commented by すいれん at 2011-04-25 09:34 x
tomokoさま
私がお礼を言うのも変ですが、ブログに書いてくださってありがとうございます。こうして草の根で少しづつ、祝島のこと、原発のこと、新しいエネルギーのことが広がっていって、今まで知らなかった方達が関心を持ってくださることが、まず一歩ですよね。
Commented by team-osubachi2 at 2011-04-25 11:24
すいれんさん
そうですね。私のような無知(苦笑)は、こういうコトを知るだけでも収穫が大きいと思いました。私の周りではすでに去年これを見ていた人もいて、関心の高い人が多いのですが、これから先、無関心の人にどう知ってもらうかもムズカシイけれど大事なことだなあ〜って思いました。
しかし、豚さん、飼ってしまったらもう食べられませんね、きっと(笑)。
Commented by 神奈川絵美 at 2011-04-25 22:21 x
こんにちは! ほぉ~偶然の嬉しい再会?なんですね、氏本さん。
気仙沼にも、港のそばに水産加工工場が、そのそばに飼料工場が(水産加工で要らなくなったアラを利用)あったそうです。
エネルギーといえば、にわかに地熱が注目されているようですが、どうなのかな? いずれにしても、今まで原子力が唯一ベストのように思わされていましたが、利権を取っ払って本当に地球や生き物のためになるエネルギーを考えていきたいですよね。
Commented by team-osubachi2 at 2011-04-26 00:39
絵美さん
太陽熱、地熱、風力、いずれにしても、今すぐ私たちに充分な電力を供給できるプラントはまだ何も出来ていないワケで、今の電力供給源にとって変わるまでには相当な時間がかかるのでしょうね。とにかくまずは「停止および廃止」という確約が要る時期なのだろうなあ・・・とは思います。
私が想像するのは、100年かかってこれだけ人間の暮らしが変わったのだから、100年後にはまったく新しい自然エネルギーと科学エネルギーの融合が可能であればいいなあ〜なんてことを思ってるんです。今ある原発をすべて解体するにはゆうに100年はかかるでしょうし・・・。
ただ、どんなに平和的で安全なエネルギーを生み出そうとも、それを扱うのはしょせん人間ですから、利権にからまない人間は決していなくはならないんだろうなあ〜と思います、良い悪いではなく、ね。未来永劫、もっともムズカシイのは人心かも、ですね。
by team-osubachi2 | 2011-04-25 00:03 | 仕事をする | Comments(4)