黒紋付きのこと

昨日、いつもの美容院へ行った帰りに、
青山ゑり華さんへ寄り、お手入れに出しておいた
喪服・・・いや「黒紋付き」を引き取りに行った。

昨秋、実家に帰省したさいに、実家にあった私用の喪の着物一式をひきとり
手元に置いておくことにしたのだが、
日本海沿いの家にかれこれ20年も仕舞われっぱなしだった黒紋付や帯は、
うちで風を通す程度ではどうにもならないほど経年の臭いがひどく、
今後のことを考え、ゑり華さんへお手入れに出しておいたのだった。

こちらも、もうかれこれ20年、着物のことだけでなく、
お仕事でもお世話になっている社長の花岡さんと話をしていて、
今回はじめて気付かされたコトがある。

黒の五つ紋の着物は「喪服」なのではなく、
本来の意味でいえば、これは黒の五つ紋付きの正装着物であり、
「その黒紋付きを、喪の場に着るというだけの事です」と教えていただいた。
ああ〜ら!そ〜なんだ〜、迂闊ぅ〜!!

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そういえば、先日亡くなられた私の最初の茶道の先生(江戸千家)は
一番最後の最後にいただく高位のお免状の授与式には
黒の五つ紋を着たとおっしゃっていた。
「邦楽の方たちなんかもそうですよ」と花岡さん。
あ、そうだよね。うん、無地の黒紋付きに錦の帯という姿は
さぞや格好いいだろうと想像できる。

もっとも、今どきの結婚式など、一般人にとってのおめでたい席に
裾模様のない黒紋付を着るような人はまずいないだろうし、
自分自身はそんな邦楽や茶道の師範になるような世界に
身を置いてはいないので、私がこれらに袖を通すのは、
自分と相方の両親との別れが訪れたときだろう。

昨日はこの他に、手入れのすんだ袷帯が本当に二重太鼓用だったので
これを切りつめて京袋(開き仕立ての名古屋帯)に直してもらうことにし、
切ったその生地を活かして、喪のバッグを仕立ててもらうことにした。
また、これもついでながら喪の草履もお願いしておいた。
つくづく出費だなあ〜と頭が痛くなったりもするのだが、
いつ「その時」が訪れても慌てないよう心しておきたい。
これに袖を通すのは、もっとうんと先でありますように・・・と祈りつつ。
by team-osubachi2 | 2011-03-30 10:10 | 着物のこと | Comments(0)