映画「道」

むかしNHK教育テレビの日曜の夜にやっていた映画番組があった。
若かりしころ、この番組のおかげで何本もの世界の名作を知ったのだが、
そのひとつが F・フェリーニ監督の「道」だった。

最初に見たときは、なんでこういうコトになってしまったのか
とても哀しくて困ったようなキモチになったけれど、
その後、何度見ても、見れば見るほどに
切ないようなやるせなさがつのるばかりだ。

でも、好きなシーンもある。
ジェルソミーナがザンパノの女房(無理矢理だけど)になってほどなく、
バカ野郎のザンパノは、酒場にいたゲスな女と行ってしまって
置いてけぼりにされたジェルソミーナが、翌日になって
町はずれの草地にザンパノを見つけ、死んでるんだか生きてるんだか
顔を覗きこんで、あ、寝てただけか、とホッとした瞬間、
フッと浮かぶ笑顔がとてもいい。
でも、それからまたすぐに途方に暮れてしまうんだけど・・・。


f0229926_23104371.jpg


ジェルソミーナは、ただあるがままを受け入れ、与える愛の人。
人間の弱さも、ずるさも、愚かさも、彼女自身の心の成長とともに
すべてを受け入れられたかもしれないのに、
ザンパノや〜〜い、なんで置き去りにしちゃったんだよォ〜〜。

映画の最後、浜辺で号泣するザンパノ・・・。
アンソニー・クイン、お芝居してるようにはとても見えない。
このアンソニー・クインはザンパノそのものだったのだろう。
ちなみに、「アラビアのロレンス」でのアウダ・アブ・ダイも
なかなか面白くて、そう悪くはないけれど、
やっぱりこちらの方が役者としてはいい仕事のように思う。

ザンパノ、もしもまた生まれ変わってきたなら、
今度はジェルソミーナを大事にしておくれ〜。
・・・って、これってフィクションだっけ。
でも、私にはそう願わずにはいられないお話だ。

*イラストの無断使用および複写・転載を禁止します
Commented by すいれん at 2011-02-15 09:58 x
tomokoさま
私の思うこと、すべてtomokoさんが代弁してくれました。 本当に、ザンパノの「ばかやろう」です。 でも、男ってこういう身勝手なところ、みんなあるかも・・・。さすがに、置いてきぼりにはされませんでしたが(笑)、精神的にはおいていかれた事、あります。
それにしても切ない映画でした。忘れられません。フェリーニの映画ってわりに好きで、よく見ましたよ。「サテリコン」って、見ました?あれに随分絵のインスピレーション貰いました。
アンソニー・クイン、確かにおっしゃる通り、ザンパノ役が一番良かったですよね。他にもいろいろ出てるけど、やっぱり印象に残ってます。イタリア映画、昔は良かったなぁ~。
Commented by team-osubachi2 at 2011-02-15 14:20
すいれんさん
いやあ、ザンパノほどではないにしろ、バカたれで身勝手なところは私にもかなりあるので(汗)、あんまりエラそうなコトいえないんですけども、でも、本当にやるせないキモチになる映画だな〜と思って・・・。状況や時代や人種は違っても、同じような思いでいる男と女はいっぱいいるかもですね。
フェリーニ、たくさんは知らないので「サテリコン」チェックしておきますね〜。
Commented by はつき at 2011-02-15 14:37 x
「道」は私の母が大好きで、見なさい見なさいと言われて観た映画です。そのためか、最初は「白黒で醜いし、なんだか暗いなあ」としか思えませんでした。でも最後には号泣…。
人は誰も、ザンパノのような身勝手な部分を持っていて、だからこそ、何もかも許してくれるジェルソミーナを求めている。この映画を観るときはそうした自分の弱さを投影してしまうのかもしれません。
Commented by team-osubachi2 at 2011-02-15 22:49
はつきさん
この映画の普遍性って、はつきさんのいうところにあるのかもしれませんね。年齢とともに感じ方が変わっていきます。そこが面白いところでもありますけども・・・。
ネットで調べた範囲で知ったことには、ザンパノ、ジェルソミーナ、イルマット、それぞれの名前に人物の特徴が込められた意味があると知りました。何にしても、深く心に残る映画ですね〜。
by team-osubachi2 | 2011-02-15 01:00 | 人を描く | Comments(4)