個展「カフェの人たち」からー4

カフェに入るときって、どんなときだろう。
いろんなシチュエーションがあるだろうけど、
たとえば、彼氏と待ち合わせとか、仕事の打ち合わせ。
舞台が始まるまでの時間つぶし、映画を見たあとのおしゃべり、とか。
友だちに悩みを相談・・・ていうのもある、かな。

ある日、仕事の打ち合わせで入った喫茶店でのこと。
時間より少し早く着いたので、カフェ・オ・レをひとり先に頼んで
遅れてくるメンバーを待っていた。
手帳をひろげ、思い出したいくつかのメモなどをとっていたとき、
ふと、なにやら重たい空気を感じて顔をあげると、
すぐ隣の席にいた20代後半と30代前半と思われる二人の女性が、
ほとんど無言のまんま暗くうつむいているコトに気がついた。
そっとだけど、二人共ときおり泣いてもいるようだった。


f0229926_13413631.jpg


喫茶店の小さな仕切りの中の客は、その二人と私の二組だけで、
私は無関心を装いながらも、つい自分の耳がダンボの耳になりそうで
どうにも居心地が悪く、ちょっとばかり困ってしまった。
無理にも手帳にいろいろ書き込んだりして時間を潰しているところへ
ようやく取引先の人が来て、ホッとしたのを覚えている。

その女性たちにいったい何があったのか、こちらは知るよしもないけれど、
私たちがすぐ隣でわさわさと打ち合わせをしている間も
この二人はときどきぽつんぽつんと会話をするだけで、
顔をあげる様子はほとんどなかった。
たぶん私たちが去ったあとも、二人はずっとそうやって
沈み込んだままでいたことだろう。


f0229926_13382390.jpg


人と人とが会っていても、会話がはずむとは限らない。
カフェの中は、そっと見渡してみれば、お客の数だけ、
その人生模様のほんの一瞬が垣間見られる場所
・・・といえるかもしれない。


*イラストタイトル(上より)/(C)Tomoko Okada
「待ちぼうけ」
「ちょっとそこまで、コーヒーを買いに」
Commented by すいれん at 2010-10-23 09:39 x
tomokoさま
うちの実家は料理屋だったんですけど、喫茶店もやってた事があって、tomokoさんのこのイラストを見ていると、当時の事が思い出されて懐かしいです。学生の頃は、喫茶店がやたらいっぱいあって、休講の時なんか喫茶店で、時間つぶしたりしてました。その頃、かかっていた曲は、なんか身体の芯まで浸透してて、今でも聞いたとたん、当時にタイムスリップしちゃいます(笑)ロバ―タ・フラックの「優しく歌って」とか。知らないでしょうね~。 ほ~んと、
tomokoさんのイラスト、懐かしい~。
Commented by team-osubachi2 at 2010-10-24 00:52 x
すいれんさん
わあ〜、個展の絵、描き出してからスランプに陥り、苦悩して描いただけに反省点もたくさんあるんですが、そんな風に言っていただけると、真からありがたいキモチでいっぱいになります。感謝です!
ご実家はたしか赤坂、の・・・?そうでしたか〜、喫茶店もなさってらしたんですか〜。そうですよね、その頃の町のいたるところに喫茶店がホントにたくさんあっただろうな〜と思います。
>ロバ―タ・フラックの「優しく歌って」とか。知らないでしょうね~。 
知っておりますですよ〜(笑)。リアルタイムでは記憶がないかもですが、ある意味あれは名曲ですから、いつも間にやら知ってました。
イラスト稼業、これからもまたコツコツがんばります〜!!
Commented by team-osubachi2 at 2010-10-24 13:32 x
すいれんさん/追伸
すいれんさんのコメントを読んで、急に「やさしく歌って」を聴きたくなってYou Tube を検索して見ていたら、二つ年上の相方が「ロバータ・フラック?CDあるよ」と言って、書棚からアルバム「Killing Me Softly」を出してきました。ひょえ〜、持ってるんだ〜!とちょとビックリしました。
by team-osubachi2 | 2010-10-22 08:27 | 人を描く | Comments(3)