楽艸さんのこっぽり

この数年、着物や帯を手に入れるだけで精一杯だったせいか
小物の新調にまで手がまわらず、ことに履き物は消耗するばかりだった。
新しい履き物が課題だったにもかかわらず
なかなかゆっくりと買い物へ出かけることもなく、時間ばかりが過ぎていく。

履き物はもっぱら浅草で調達している。
なんといっても京の着倒れ、大阪の食い倒れ、
そして江戸の履き倒れ(神戸も?)である。

今はどうかわからないけれど、むかし私が着物を着始めたころ、
京都の粋筋のおかあさんやお商売のおにいさん(?)方は
スッキリと細みの台は「やっぱり江戸もんにええのがあるなあ」と言っていたっけ。

ことに下駄。桐の柾目はかつて一足だけ経験した。
履くときに意気がったりもした。胸の内でキモチよかった。
が、そこで二本歯の下駄は打ち止めにした。
現代の街を二本歯で歩くのは、やっぱり少々キツいんである。
以来、下駄の類いは、舟形やこっぽりといった
歩きやすいカタチのものばかり履くようになった。

楽艸さんのこっぽり_f0229926_1043819.jpg

浅草の「高橋慶造商店」という和装履き物バッグ卸のお店から独立した
「楽艸」さんは、オリジナルの商品を小売りもする。

プロデューサーの由貴子さんとは
たまたま「楽艸」立ち上げ以前からの個人的なつきあいで、
いまや私の人生にも大きくかかわることになったお人だが、
個展のときに履くこっぽりを、はじめて電話で相談してみたところ、
私の好みをすでによく知っていることもあり、
ポンポンとテンポよく決めてすぐに送ってくれた。・・・素早いのう。

台のふちは黒塗り、天だけ深い朱に黒い縞模様が入ったデザインのこっぽりに
生成りのインドシルクの鼻緒がすげてある。う〜ン、好きっ!
赤いツボにするのがいつもは好むところなのだが、
今回あえて生成りの白ツボにしてスッキリさせてある。

な〜んて、個展のときに履く物の準備は出来ても、
肝心の作品の方はまだまだこれからなんである。
あ、汗がドッとでてきた・・・。冷や汗、かも。

楽艸
http://www.rakusou.co.jp/index.html
by team-osubachi2 | 2010-08-31 10:57 | 着物のこと | Comments(0)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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