紙布の着物

昨日の梅雨の晴れ間、ひさしぶりに着物で出かけた。
気温も30度を超えた暑い日だったけど、
でもまだ薄物には早いというようなときは、紙布の単衣に袖を通すのがいい。

エ?紙布ゥ?
そう。紙布はタテもヨコも和紙を「こより」にした糸で織られた布だ。
和紙という完成度の高い素材を、さらに手を加えて糸にし、
織りあげ、布にするなどというこの発想!
日本の染織はホント〜にスゴイんである。

サラリと織られた紙布の着物は、適度な張りがあって
風通しもすこぶるいいせいか、見た目より涼しい。
また、想像以上にしなやかで丈夫なうえ、水にも強いそうだし、
汗もよく吸うので、汗っかきの私にはもってこいの単衣着物なんである。
そのくせクーラーの寒さからも身を守ってくれるとは、
う〜む、なんと賢い着物だろうか、と感心する。

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紙布というだけで高そうな代物だが、
元はいったいいくらで売られていたのかまったくわからない。
実はこれ、デパートの骨董売りの催事で
新古品だが、浴衣よりも安く手に入れたものだ。
しがない挿し絵職人には、身の丈にあうだけのお金しかまわせない。
少しでも良いものを手に入れるには、それなりの知恵と工夫、
そしてタイミングが必要だったりする。

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しかしこの着物、梅雨の時期にはまったくもって暑苦しそうな色だ・・・。
そこで、冨山麻由子さんという若い人が染めた麻の半幅帯をあわせてみる。
明るい藍色が涼しげで(写真にはその色がまったく出ていな〜い)、
のびのびと咲いた花の間をみつばちが飛んでいるという
素朴でかわいらしい雰囲気が気に入って愛用している帯だ。

夏の着物はまったくもって暑い!
でも、夏着物には夏でしか味わえない素材の良さや、組み合わせのおもしろさがある。
その魅力を知ってしまった着物好きの人たちは、
だから、ついつい着たくなるのだろう。
暑さは承知の上である。
by team-osubachi2 | 2010-06-18 11:45 | 着物のこと | Comments(0)