竹の秋

これまでこの方、竹林とはご縁がなかったのが
この丘の上に越してきて以来、小さな竹林がそこここにあって、
朝な夕なに見ながら暮らすようになった。

4月にはいってから、竹筒の色は日に日に鮮やかになっていくのに、
逆に笹の葉は色あせていって、はらはらと盛んに葉を落とすようになった。
近くの公園などでは、わきの道筋いっぱいカサカサと降り積もっていたりする。
旧暦の3月ごろに使われる「竹の秋」という言葉は
本で見て知っていたけれど、体験したのはこれがはじめてだった。
・・・そうか、タケノコはこのやわらかく降り積もった落ち葉を
つきやぶるようにして出てくるんだなあ。

竹の秋_f0229926_14162345.jpg

半月ほど前のある日、ベランダの崖下からなにやら音がして
見れば竹林の地主さんだろう、朝のタケノコ掘りをやっていた。
思わず上から「私にも一本わけてくださ〜い!」
と言いそうになったのをグッと堪えた。

すでに店先には美味しそうな朝掘りのタケノコがでまわっていたけれど
食べたいくせに、ちょっとばかし値が張るうえ、
ぬかで処理するひと手間に買うのをためらってばかりいた。
そのくせ、せっかくのシーズンに
すでに皮をむかれて水とともにパックされたタケノコには
手を出す気にならないというわがままさだ。

竹の秋_f0229926_14173573.jpg

そこへ、週一回お願いしている野菜の宅配で、
今週はドカーン!と一本、見事なタケノコが入っていた。
ご丁寧に糠も添えられている。
こうなったら迷ってもいられず
すぐに下処理をして、さっそくタケノコご飯をこしらえた。
有無をいわさぬセレクトに深く感謝。
では、いた〜だきます!
by team-osubachi2 | 2010-04-30 01:16 | しみじみご飯 | Comments(0)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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