河東節ご連中

ひょんなご縁で知り合った、ある老婦人に着付けを頼まれ、
多摩川沿いにある眺めのいいマンションのお宅へとうかがう。
この老婦人は、ご趣味で三味線と長唄を習っていらっしゃるのだが、
今月の歌舞伎座へお出になるという。

東銀座にある歌舞伎座も、ついに建て替えのため、
この四月でおしまいになるのだが、
今月キリの演し物は『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。
吉原を舞台に、桜の花がいっぱい飾られてにぎにぎしい中、
団十郎丈演じる助六が花道から登場するまでを、舞台上の御簾内で
河東節十寸見(かとうぶしますみ)会のご連中、いわば富裕の旦那衆が、
たっぷりと『出端の唄』を披露する。
老婦人はそのご連中に混じって三度、三味線をひきなさるそうで、
紋付(黒留)を着付けてさしあげる。

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お見受けしたところ70代後半と思われる老婦人だが(イラストとは別人です)、
きけば長唄と河東節をなさるお師匠さんは
なんと90歳をとうに越えて今なお達者なご様子で、
初日、中日はおろか、千秋楽までの最後数日間を毎日お出になるそうだ。
ひょ〜え〜、どエライお元気!・・・芸は元気の秘訣だろうか。
私が行く27日は、老婦人の三味線は聴けないが、
そのお師匠さんの姿が見れるかもしれないと思うと
(実際にはわかんないかもだけど)なんだか楽しみになってきた。

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by team-osubachi2 | 2010-04-17 02:20 | らくがき帖 | Comments(0)