ひと組の男女がカフェでお茶をする絵を描いていて、
自分が描いている絵であるのに、顔を色付けし、目を描いたら
最初にイメージしていたものとは違い
「おや〜?この二人の関係はいったいどんな・・・?」
という表情になってしまった。
・・・どうしようか。描き直し?
まあ、ひとまず仕上げてみよう、と背景を描いていたら、
何年か前に、自分が見かけた
とある男女の強烈なシーンを急に思い出した。
以前、新宿副都心からもほど近い場所ながら
昔は職人町であったという通り沿いに住んでいたときのこと。
私の前を歩いていた女子にむかって、
その後ろから早歩きに追いついた男子が
いきなり女子のバッグを取り上げ、中から財布らしきものを抜き出した。
ひったくりか?と一瞬ビックリして見ていたが、
どうもそうではないらしい。
女子が男子に追いすがって喚いていた。
「やめて〜っ!お願い!なんで?なんでこんなコトするの〜っ?」
落ちたバッグはそのままに、女子は男子の腕にすがるのだが
男子は荒っぽくその腕を振り払って走り去ってしまった。
女子はその場でしゃがみ込んでワァーッとひと声泣いてから
その剣幕に驚いて出てきた商店街の人たちの視線の中、
(お肉屋のお姉ちゃんが「大丈夫?」って声かけてたっけ)
何事もなかったかのようにすぐにバッグを取りに戻り、
フツーに商店街を歩いて去っていったのだった。
夏の暑さがまだ残る季節で、細い素足にヒールの高いサンダルが
なんとなく痛々しかった。
あの二人はいったいどんな関係だったのだろう・・・?
描いている絵とは関係がないそんなシーンを思い出しながら、
いろんな男女がいるもんだなあ〜とあらためて思った。
カフェにいる男女がかならずしも仲がいいワケではないだろう。
一緒にいても、互いの思いが通じないカップルもいる。
・・・ま、この絵の二人もそんなところかな、と筆を置いた。
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